2012年5月31日木曜日

ピアノの名曲を聴こう エジプトの女

ピアノの名曲を聴こう

ラモー
エジプトの女
装飾音をふんだんにまとったエキゾティックな小品

ジャン=フィリップ・ラモーは18世紀フランスを代表する作曲家。
メヌエット、サラバンドなどの舞曲を並べて構成するのが
当時の組曲の伝統であったが、ラモーが教会オルガニストとして
過ごした前半生に書いた3つのクラヴサン組曲集は、
そうしたこの時代の代表的な洋式に従いつつも、
表題の付いた曲を多く含む、比較的自由なスタイルで編まれている。


のちにオペラの世界で名をなすことになるラモーらしい、
ドラマチィックで色彩感豊かな世界がそこにある。
この<エジプトの女>は、ラモーが出版した3作めの組曲集
「新クラヴサン曲集」の最後を飾る曲である。
装飾音(音を飾るために、音を揺らしたり付け加えたりすること)を
ふんだんにまとった華やかな早い音型が右手と左手に繰り返し現れ、
エジプトの女たちのにぎやかなおしゃべりの様子が見えてくるかのようである。