2012年5月31日木曜日

ピアノの名曲を聴こう ワルツ変ニ長調<子犬>

ピアノの名曲を聴こう
ショパン
ワルツ変ニ長調op.64-1<子犬>
愛らしい子犬を思わせる人気曲

全21曲あるショパンのワルツのなかでもっともよく知られた作品。
生前に発表された最後のワルツ集である、
1847年出版の<3つのワルツ>
op.64の第1曲目にあたる。
1846~47年に作曲され、友人で支援者の
デルフィナ・ポトツカ伯爵夫人に献呈された。
ショパンの命名ではないが、タイトルの由来は
ショパンの愛人ジョルジュ・サンドが
ノアンの家で飼っていた小犬のエピソード。
自分のしっぽを追いかけるぐるぐるとまわる
小犬の様子を音で描いてほしいという
サンドのリクエストに応えて作曲されたといわれる。
急速なテンポでころころと転がるような音の動きに、
たわむれる小犬が目に浮かぶ。


ここが聴きどころ
愛らしい感じのある曲
冒頭の部分では、狭い音程のなかを半音階的に
めぐる細かな音に快活な動きが感じられ、
中間部ではちょっと音程が離れて動きが少し変わります。
全体としてはそれほど大きな変化はない曲ですが、
わずかな違いで動きの多彩さが感じられる曲です。
またワルツのリズムは軽やかで、ペダルの指示は細かくされており、
ささやかな和声の違いを際立たせながら、軽快さを演出しています。