2012年5月31日木曜日

ピアノの名曲を聴こう 月の光

ピアノの名曲を聴こう

ドビュッシー
月の光
ほのかな月の光を描いた詩情あふれる名作
<月の光>は4曲からなる<ベルガマスク組曲>
の第3曲にあたる曲。
ドビュッシーのピアノ作品中、もっとも有名な1曲で、
ほのかな月の光のもとでの優しさ穏やかな時の流れが感じられる、
詩的な曲調のピアノの名作である。
<月の光>というタイトル、そして「ベルガマスク」という組曲のタイトル、
それらはともに同時代フランスの詩人ボール・ヴェルレーヌの
詩からの引用であるとされている。


ヴェルレーヌの「月の光」というと、
ドビュッシーより17歳年長の先輩作曲家
ガブリエル・フォーレの歌曲も有名であるが、
ドビュッシーもこの詩人の作品は
たいへんに好み、その詩にももとづく歌曲も数多く作曲している。
暗い部屋に月の光がさっと差し込むような美しい旋律に続き、
孤独な夜の切ない感情が
徐々に高まっていき、一度静まってから、
月光のきらきらと輝くような細かい音型の
伴奏にのって奏されるロマンチィックな旋律のあと、
冒頭の旋律が回想されて曲を閉じる