2012年5月31日木曜日

ピアノの名曲を聴こう 愛の夢

ピアノの名曲を聴こう
リスト
愛の夢
心を捉えて離さないアイドル・リスクの名曲

リスクが自作の歌曲をピアノ用の編曲した3つのノクターン<愛の夢>
の第3番にあたり、<ラ・カンパネッラ>とならび、
リストのピアノ曲中もっとも有名な作品。
通常<愛の夢>といえば、この第3番のことをさす。
1850年に編曲され、同年連作集として出版された。
ドイツ・ロマン派の詩人フェルディナント・フライリヒラートの
詩に作曲した<おお愛しうる限り愛せ>が原曲。


ショパンのノクターンを思わせるシンプルながら印象的な作品。
ハーブのような分散和音にのせて、
たっぷりとした甘いメロディが前奏もなく歌いだされる。
最初は中音域でろうろうと歌われるこのメロディはカデンツァをはさみ、
高音域に移る。情熱を帯びながら高揚していき華麗さを増したのち、
ふたたびカデンツァに。
最初のメロディが戻り、優しくうなずきかけるような和音を
間の手にそっと歌われる。
最後は余韻を残して静かに結ばれる。