2012年5月31日木曜日

ピアノの名曲を聴こう ノクターン変ホ長調

ピアノの名曲を聴こう

ショパン
ノクターン変ホ長調op.9-2
繊細で甘いメロディにうっとり

ノクターンは、マズルカやワルツとともにショパンの生涯にわたって
折にふれ作曲し続けられ、作風の変化・深化がよくわかるジャンル。
全21曲が残されており、そのうち18曲は生前に出版されている。
op.9は3曲からなり、ショパンのノクターンとしては
いちばん早い1832年に出版された。
このop.9-2は、ショパンのノクターンのなかでもっとも
よく知られた1曲で、ノクターン第2番とも呼ばれる。


左手の伴奏音型にのって、ほのかな憧れがこめられた
甘く夢見るようなメロディがしっとりと歌い出される。
このメロディは、毎回違った装飾を加えられながら
繰り返し歌われていく。
やがて左手の伴奏が止まり、短いカデンツァを経たのち、
夢のなかへ沈んでいくように静かに結ばれる。
センティメンタル一辺倒に流れてしまうと、
少し安っぽくなってしまうため、
演奏者には磨き抜いたタッチでしっかりと抑制を
効かせながら弾くことが求められる、
一筋縄ではいかない難しい作品でもある。