2012年5月29日火曜日

ドイツのピアノ ベヒシュタイン

ドイツのピアノ ベヒシュタイン

フランスで最新の技術を学び、
1853年にベルリンで創業したカール・ベヒシュタインは、
1856年、リストの力強い演奏に衝撃を受ける。
「この演奏に耐えうるピアノを製作したい。」
こうした思いから出来上がった楽器は、
リスト本人やH.v.ビューローから高い評価を得た。
その後も、精度の高い生産技術を保ち続け、
英国のヴィクトリア女王をはじめとしてヨーロッパ中の宮廷で愛用される。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、その人気は頂点に達した。


1901年、ロンドンに建設されたベヒシュタイン・ホールの存在は、
その隆盛ぶりを物語っている。
20世紀に入ると、戦争による工場の破壊、営業不振など、
ベヒシュタインにも低迷期が続き、
60年代にはアメリカ資本の投入を促した。
しかし20世紀末、ふたたびドイツ人が経営者となり、
国内のピアノ・メーカーを傘下に収めると、
国内の拠点を増加させていった。
近年は、アメリカ、ロシア、中国へも進出し、
経営のグローバル化をはかっている。