2012年5月31日木曜日

ピアノの名曲を聴こう 紡ぎ歌

ピアノの名曲を聴こう

メンデルスゾーン
紡ぎ歌
軽快に舞うメロディが魅力の愛らしい小品

フェリックス・メンデルスゾーンは、ドイツ・ロマン派を
代表する作曲家のひとりである。
裕福な家庭に生まれて、早くから音楽の才能をあらわし、
10代後半にはすでに
弦楽八重奏曲や<真夏の夜の夢>などの名作が高い評価を得ていた。
38歳という若さで亡くなったが、彼がその生涯にわたって、
折にふれ書き続けた全8巻
48曲からなる。<無言歌集>は、
愛らしく美しい小曲が並んだ魅力的な作品集である。


この<紡ぎ歌>は、その<無言歌集>のうち、
メンデルスゾーンが30代前半に作曲した
第6巻の第4曲にあたる作品で、曲集のなかでは、
第5巻終曲の<春の歌>などと並んで
もっとも親しまれている曲であろう。
冒頭の、回転する紡ぎ車を模したような印象的な音型は、
やがて伴奏となり、その上を飛び跳ねるようなメロディが軽快に舞う。
歌を口ずさみながら糸紡ぎの仕事をしている
乙女の姿が想像できる楽しい曲である。