2012年6月1日金曜日

ベートーヴェンとピアノ曲


ベートーヴェンとピアノ曲

ロマン派の扉を開く革新的なピアノ曲を作曲

ドイルの宮廷音楽家の家系に生まれ育ったベートーヴェンは、
厳格な父の音楽教育を受けて、幼少の頃からことにピアノの演奏には
非凡な才能をみせ、7歳で公開の演奏会を開いたと伝えられている。
20代前半に、当時の音楽文化の中心地ウィーン上京、
数年後に自作のピアノ協奏曲第2番を弾いてこの地でのデビューをとげ、
ピアニストとして、また作曲家として大成功を収めた。


ベートーヴェンの時代、ピアノという楽器は非常な進歩をとげる。
楽器の大きさが大きくなるにつれて、音域が広くなり、
また、ハンマーで打たれる弦が太く丈夫なものになるにつれ、張力が増し、
より大きな音量を出すことが可能になっていく。
こうした新しい楽器の可能性を限界まで追及した実験精神にあふれた曲作りと、
激しい打鍵から繰り出す超絶的な演奏とで、
ベートーヴェンは一躍時代の寵児となったのである。
その作品群は、「古典派」の完成を高らかに告げ、
「ロマン派」の時代へと扉を開く革命的なものばかりである。