2012年6月2日土曜日

リストラ・カンパネッラ


リストとピアノ曲

ラ・カンパネッラ
圧倒的な迫力と華麗な超絶技巧が堪能できる一曲

天才ヴァイオリニスト、パガニーニの演奏を聴いて、
ピアノのパガニーニになることを決意したリストが、
その技巧をピアノに移し替えることを試みた作品。
1838~40年作曲(1840年出版)の
<パガニーニによる超絶技巧練習曲集>を1851年に
改訂し、同年<パガニーニ大練習曲集>として
出版された全6曲の曲集のなかで、
第3曲にあたるのが、この<ラ・カンパネッラ>。
リストといえばこの曲というくらいの人気作だ。


パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番の第3楽章<鐘のロンド>が原曲で、
イタリア語で「鐘」をさすタイトルのとおり、高音域で鐘の音が模される。
短い前奏に続き、右手に高音の装飾がつけられたテーマが現れる。
このテーマがつぎつぎと技巧的な装飾をまといながら変奏されていく。
しだいに凄みを増していき、最後は圧倒的な迫力のなか華麗に結ばれる。
曲集は当時やはりヴィルトゥオーソ・ピアニストとして活躍した
クララ・シューマンに献呈された。