2012年6月1日金曜日

ピアノの名曲を聴こう ピアノ協奏曲第1番ホ短調


ピアノの名曲を聴こう
ショパン
ピアノ協奏曲第1番ホ短調op.11第2楽章
ナイーヴな内面を表すピアノ協奏曲の傑作

ショパンの2曲のピアノ協奏曲は、第1番ホ短調が1830年、
第2番へ短調が1829年に作曲されているのだが、
出版順の関係で作曲年と番号が逆になっている。
この第1番は、勇壮で華麗な第1楽章、抒情的な第2楽章、
軽快で技巧的な第3楽章の全3楽章からなり、
全曲で40分ほどもかかる堂々たる大曲。


第1楽章が全体の半分を占めている。
「ロマンティックで穏やかで、少し憂鬱な気分。
美しく明るい春の月夜に、
なつかしい思い出の数々を呼びおこさせる」と
親友への手紙に記した第2楽章は、
ロマンス(ロマンツェ)と題されたゆったりとした楽章。
音を弱められた弦楽器に導かれて、
ささやきかけるようなメロディをピアノが静かに歌い始める。
やわらかい弦楽器の伴奏にそっと寄り添いながらたっぷりと歌われていく
甘いピアノの調べは、恋のときめきのように胸を熱くする。
やがてオーケストラが静まり、オルゴールのような短いソロをはさみ、
すっと空中に溶け込むように終わる。