2012年6月2日土曜日

ショパン ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調<葬送>


ショパンとピアノ曲
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調op.35<葬送>

陰鬱で悲劇的な<葬送行進曲>はあまりにも有名

ショパンの残した3つのピアノ・ソナタのうち、
第1番は習作とされ演奏の機会はあまりない。
残る第2番<葬送>と第3番は質量ともにコンサートの
メイン・プログラムにふさわしい傑作。
この第2番は、ジョルジュ・サンドと交際がはじまって
最初のノアン滞在中の1839年に完成された。


第3楽章の<葬送行進曲>のみ
1837年に独立した曲として作曲されている。
重苦しさのなかはじまる第1楽章はソナタ形式。
せわしなくどこか不安な感じの第1主題と
ゆったりと穏やかな第2主題が対照的。
スケルツォの第2楽章は、威圧的な調子で進む。
優しさのにじむ中間部でつかのまの安らぎを得るが、
ふたたび切迫感にとらわれる。
第3楽章は有名な<葬送行進曲>。
重々しい左手の低音とともに葬列は進む。
ふと故人を振り返るような中間部をはさんで、
ふたたび葬列は歩みはじめる。
わずか1分半ほどの短い終楽章は急速な3連符の動きだけで
構成された不思議な楽章。