2012年6月2日土曜日

ショパン 革命


ショパンとピアノ曲
革命
激情に駆られるショパンの内面を描いた傑作

ショパンの練習曲(エチュード)は、
op.10の12曲、op.25の12曲、
<3つの新しい練習曲>の全部で27曲ある。
op.10はワルシャワ時代から書きはじめられ、
パリに到着した後、1833年に出版された。
知り合ってほどないリストに献呈され、
リストもこの曲をとても気に入って愛奏したという。
<革命>はそのop.10の12曲目にあたる。


ワルシャワを旅立ったショパンは、
パリへと向かう途中のシュトゥットガルトで、
愛する故国の革命が失敗に終わり、
ワルシャワがロシアに占領されたことを知る。
故国の窮状と友人・家族たちの困難を案じて
「どうして自分はひとりのロシア人も殺せないのか」と書き綴った。
そんななか作曲されたのが(革命のエチュード)。
痛烈な和音の一撃とともに開始早々音の奔流に飲み込まれる。
吹き荒れる嵐はやがて静まるかと思うと、最後に強烈な痛打が待っている。
繊細で優美なショパンとは別の激情に駆られる一面を見る思いがする。