2012年6月2日土曜日

シューマン クライスレリアーナ


シューマンとピアノ曲

クライスレリアーナ
揺れ動く感情が緻密に表現された逸品

第1曲冒頭の低音に現れる音型で各曲が
緊密に構築された巧みな構成と、
あふれる詩情とが見事に結びついたシューマンの最高傑作。
ドイツ・ロマン派の作家で音楽家でもあったE.T.A.ホフマンの短編集
「カロ風の幻想小品集」に収められた
「クライスレリアーナ」からタイトルがとられた。
この短編の主人公である楽長クライスラーの
エキセントリックなキャラクターがシューマン自身を投影しながら描かれる。


以下の全8曲からなる。
襲いかかる嵐のような第1曲<激しく動いて>、
思いやりにあふれた歌と快活なリズムが交叉する第2曲<心をこめて、速すぎずに>、
不気味なリズムと優雅な中間部の対比が鮮やかな第3曲<激しく駆り立てられて>、
心の平安を求めるかのような第4曲<きわめて遅く>、
とまどうような第5曲<非常に生き生きと>、
重々しく格調ある第6曲<きわめて遅く>、
最初の嵐がふたたび襲いくる第7曲<非常に速く>、
屈折したおかしみのある第8曲<速く、諧謔的に>。
ショパンに献呈された。