2012年6月2日土曜日

ショパンとピアノ曲


ショパンとピアノ曲

ピアノにすべてを注ぎ込んだ繊細な作曲家

ピアノの詩人とも呼ばれるショパンの残した作品は、
いくつかの室内楽曲と歌曲のほかはすべてがピアノ曲
(オーケストラをともなった作品を含む)。
作品番号は74までと、39年という短い生涯を考えても
けっして多いとはいえない数だが、そのいずれもがポーランドの
民族色とパリの洗練をあわせもち、
独特の優美さと繊細さをたたえた名作で、
ほとんどが現在でも演奏され続けている。
ショパンの創作期間は通常以下の3期に分けられる。


古典的な様式と民族的要素が結びついて
ショパン独自のスタイルが形作られた初期(~1831年、ワルシャワ時代)には、
2曲のピアノ協奏曲などが書かれている。
中期(1831~40年頃)には作曲技術の習熟とともに表現の幅も広がる。
ソナタ第2番<葬送>、<24の前奏曲>などがこの時期の作品。
後期(1841年以降)になると構築性と様式感を消化したうえに
彼ならではのポエジーが加わって作品はいちだんと深みを増す。
ソナタ第3番、<幻想ポロネーズ><舟歌>などの傑作群が生まれた。