2012年6月1日金曜日

ピアノの名曲を聴こう ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調

ピアノの名曲を聴こう
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調op.27-2<月光>第1楽章
しみじみとした味わいの革命的なピアノ・ソナタ

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの名前は
クラシック音楽の代名詞と言っていいほど有名なものだろう。
ドイツ・オーストリアを代表する大作曲家としてさまざまな
ジャンルに多くの傑作を残したが、ピアノに関しては32曲のソナタと、
5曲の協奏曲のほか、変奏曲や、小品なども数多く書いている。


特に32曲のソナタはピアノ音楽の「新約聖書」にもたとえられ、
ピアニストのレパートリーとしてはもっとも重要なものに数えられるだろう。
<月光>という表題で呼ばれることの多い、
このソナタ第14番は、作曲者31歳のときの、全3楽章からなる作品。
この曲が作曲された当時、ピアノ・ソナタの第1楽章には
速いテンポを用いるのが普通とされていたが、
ベートーヴェンはゆっくりした静かな伴奏にのせた、
息の長い幻想的なメロディをソナタ形式にのせて奏でている。
「古典派」の殻を破るさまざまな「革命」をやってのけた
この作曲者らしい、ロマンティックな味わいに満ちた楽章である。