2012年6月1日金曜日

モーツァルト ピアノ協奏曲第21番ハ長調


モーツァルトとピアノ曲

ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
端正で気品にあふれたモーツァルト絶頂期のピアノ協奏曲

モーツァルトの数々の傑作のなかでも、
生涯の最後10年を過ごしたウィーンで
作曲された曲は、また格別の魅力を有する名曲ぞろいである。
そのウィーン時代のなかでも、
このピアノ協奏曲第21番が作曲された1785年は、
モーツァルトが売れっ子作曲家としての絶頂期にあった年であり、
作品内容もみな充実したものばかりである。


この曲は、モーツァルトが主催した演奏会でみずから
独奏者として演奏するために書いた協奏曲であるが、
同じ時期に同じ目的で書かれた劇的で激情的な第20番とは
まったく正反対の性格をもっていて、端正な気品にあふれた名曲である。
モーツァルトの時代の協奏曲に一般的であった、
速い-ゆっくり-速いという3つの楽章から構成されており、
堂々としたサウンドのオーケストラを従えたソナタ形式の第1楽章、
しっかりとした美しさをたたえた第2楽章、
軽妙な足取りでピアノが妙技を聴かせる第3楽章からなっている。