2012年6月1日金曜日

ピアノの名曲を聴こう ピアノ協奏曲イ短調


ピアノの名曲を聴こう
グリーグ
ピアノ協奏曲イ短調op.16第1楽章
北欧の清々しさに満ちたグリーグの代表作

エドヴァルド・グリーグは、ノルウェーを代表する作曲家で、
故国では紙幣になるほどの国民的人気を博している。
若き日、ライプツィヒ音楽院に学び、
ドイツ系作曲家の影響を強く受けたが、
帰国後は、ドイツの影響から脱却して、
同郷の作曲家らとノルウェー音楽の推進に努めた。
そのため民謡をベースにした作品、
民族楽器を模した効果を取り入れた作品なども多い。
北欧独特の澄んだ抒情をたたえた美しい音楽は
世界中の聴衆から愛されている。


このピアノ協奏曲はグリーグが25歳の年に書いた出世作であり、
古今のピアノ協奏曲のなかで、もっとも有名な曲の
ひとつと言っても過言ではなかろう。
特徴的なのはなんと言っても第1楽章の冒頭で、
大波のように立ち上がるティンパニの連打に導かれ、
波頭が一気に砕けるように劇的にピアノが登場する。
この激しい序奏のあとに、ノルウェーの氷河を
思わせる寂寞とした音楽、切々と胸に訴えるような旋律が次々と現れ、
聴き手はグリーグの世界に引き込まれていくのである。