2012年6月3日日曜日

ドビュッシーとピアノ曲


ドビュッシーとピアノ曲

パリの流行を取り入れた色彩豊かなピアノ曲を作曲

クロード・ドビュッシーは、
19世紀に隆盛を迎えたフランス音楽に
新しい局面をもたらした天才である。
彼の作品は、繊細な感覚から生み出される斬新な響きや、
微妙に揺れ動く音階を多用して柔らかに浮遊する
透明な旋律といった特徴を有している。
それらは、その時代までに体系付けられていた音楽理論の規範を
大きく踏み超えて、新たな時代への扉を開いたもので、以後、
多くの作曲家がドビュッシーの音楽から影響を受けた。


名門パリ・コンセルヴァトワール(国立高等音楽院)の学生であった頃から、
優秀なピアニストでもあったドビュッシーは、ヨーロッパ中世の音楽や、
当時パリで流行した東南アジアの音楽などからの影響のもと、
しゃれや響きに彩られた数多くのピアノ作品を残した。
<ベルガマスク組曲><前奏曲集><版画><映像><子供の領分>など、
幾多の名作に彼独特の作風を聴き取ることができる。